メモ

「本はガシガシ使いたいという気持ちときれいに保存したいという気持ちがいつもぶつかる。」(2017年8月26日 岸)

 

「本にはそれぞれ生まれた日(発行日)があって、それが旅の始まりになりますね。人と同じで、いい人に出会って、いい旅に恵まれる本もあれば、なかなかそううまくいかない本もあるでしょう。いい旅をしてきた証のような痕跡をもつ本が自分の手元にやってきたときは喜びたいですね。」(2017年8月7日 居留守文庫)

 

「仮に空き家が住んでみたいと思えるものばかりだったとしても、じゃあもう一つと簡単に借りたり買ったりできるわけではない。いいものはどれだけあってもいい、ということにはならない。」(2017年8月21日 岸)

 

「「ダブリン人」「ダブリン市民」「ダブリンの市民」「ダブリンの人びと」「ダブリナーズ」…

英語を母語とする人びとにとって「Dubliners」という作品は一作であり、それしか読めない。しかし私たちの前には何作も広がっている。これはよく考えてみると不思議なことだ。」(2017年7月25日 岸)

 

余白が必要である。店の通路も、まだ空きのある倉庫も、指がスッと入る本の上の隙間も、余白である。お客さんを迎えているのは、モノではなく実は余白の方である。

満たすために空けること。満たされたら空けること。心の余白も時間の余白も埋め尽くされないように。空きがないのはむしろ空しい。

 

「ハードルは 高ければ 高いほど くぐりやすい」(出典不明)

 

「初めて出会うという意味では、古本も新しい」(近所のおばちゃんの言葉)

 

明日は我が海。

 

書店の新しいスタイル(案)

■01(ゼロイチ)古書店

・価格が0(無料=無期限の貸出)と1(定価販売)、その二通りしかない。

・母体となる古書店または図書館が商品を提供する。

・定価販売の売上を集計し、まとまった金額になった時点で売上の一部を各出版社(作家)に納める。

・古書の流通によって出版社(作家)が収益を得られる仕組みを作る。

・古書店と図書館の中間のような存在である。

・商品の寄付(返却)を呼びかけ、内容の充実を図る。

・所有という概念に揺さぶりをかけ、共有という意識を育てる。

・貸出の場合でも、書き込みなどの使用の痕跡を残すことを推奨する。

・新刊書籍も扱う。特に古書との区別はしない。

■二宮古書部(移動書店・出張販売)

■みつばち古書部(日替わり店主の古本屋)

■週刊イチゴ狩り古書部(収穫確実(入場料あり? 収穫がなければ返金)、新鮮本・新選本ばかり集めた書店、新本or古本どちらも扱う、週に1回補充・入替)

 

心構え・課題

■一冊一冊

■本にためらいなく線を引く

■1年・3年・10年もつ値付け、その選別

■良書の蓄積(次々と販売しながら、それを上回るペースでため込んでいく)

■適材適所

■半径3キロ圏内で本を流通させる

■街の外から本を仕入れて、街に本を蓄積していく

■すごい量の、眠っている本の扱い・・・

■他店との連携(新しい組合のようなもの、本を融通し合う仕組み)

■役目を終えて価値がなくなったと思われる(が、実は未来に必要とされるかもしれない)ものを捨てずに「冷凍保存」しておくこと

■転売支援、取次ぎとしての古本屋

■「流す」書店から「作る」書店へ

■買い手からも作り手からも必要とされる書店

■作り手の発想や意欲を刺激する書店

■偶然を大事にする、偶然に依存しすぎない

■発掘と編集

■有機的につながる棚づくり

■お客さんを追いかける

■お客さんから教わる

■常に今を疑う

■踏みはずす

■積みへらす(岡本太郎)

■周到な準備をして、なりゆきにまかせる

■街にブックスポットを増やしていく

■どうでもいい本で、利益の限界値をねらわない

■近くから攻める

■近くにいた人物(の評伝)から地域密着を考える

■価値の発掘・転換・創造

■一般参加型

■「売れるから置く」ではなく「置くから売れる」と考える

■交流が不得意な人に照準を合わせる

■かたまりを崩さない、かたまりを大事にする

■捨てる前にチャンスをつくる

■ひとの勝手な振る舞いのなかから肯定できるかけらを拾う

■果物狩りができる果樹園のような古本屋(「収穫」が約束されている)

■はみ出す

■浮かない、浮つかない

■後ろめたさを前に出す(何かの行動につなげる)

■歴史を思う

■心意気ひとつ

■なんにしても良心的

■快をばらまく

■紙資源を大切にする

■回し読み文化を促進し、紙の本の大量発行を抑制する

■対話関係と敬意

■鉢合わせを起こすために本を動かす

 

見出し案

「スキがあります」「外出して、ひきこもる」「インドアのためのアウトドア」「究極のインドアスタイル」

 

「ボーダーレス」「流動」「変幻自在」「家の中の家」「他力本願」「本末転倒」「公私混同」「主客転倒(客が主である)」「硬直的理想主義」「擬装」「自作自演」「不可避的」 「喚起的」「自分の身辺への思いやりに満ちたこだわり症」「コケ(つまらないもの・寄生的生き方)」「何も跡を残さない文化」「ブラック個人事業」「限界芸術」「パブリックアート」「断章取義(書物や詩を引用するときなどに、その一部だけを取り出して自分の都合のいいように解釈すること。(新明解四字熟語辞典))」「対極主義(岡本太郎)」「ブリコラージュ」「折衷的」「微温的」

 

★【ブックフェア「野生の蔵書」】

第1回「建築/インテリアデザイン古書フェア」

阿倍野区のインテリアデザイン事務所から引き受けた品物を期間限定の古書フェアにて販売します。

開催期間:2019年6月29日(土)~7月25日(木)10時~19時(火金休・4週間・実質20日)

会場:居留守文庫(大阪市阿倍野区文の里3-4-29)

出品数:約1600点(書籍・雑誌/和書・洋書/全品1点限り)

 

【ブックフェア「野生の蔵書」】について

居留守文庫は小さな店ですが、年に数回は大口の買取依頼を頂いています。これからの時代においては、ご高齢の方、現役を引退される方の増加に伴って大口の蔵書整理・処分の依頼が増えてくることが予想されます。こうした時代の変化に対応して、売り方を工夫していかなければ、当店のような小さな店舗はすぐにパンク状態に陥ってしまいそうです(「取り扱わない」というのも選択肢の一つですが、依頼にはできる限り応えていきたい)。

先日、阿倍野区のインテリアデザイン事務所から多くの本が店に持ち込まれました。通常は一点一点査定し、買い取ってから販売するという流れになります。これまではこの方法で何とかさばいてきましたが、近い将来に限界がきて、取り扱いを諦めなければならないことも出てきそうな予感を持っています。そうなる前に何とかしたい、通常の「買取」以外にいい取り扱い方法はないだろうか、どうやって売っていこうか…と検品しながら考えていたら、あるアイデアが浮かんできました。それは、「買取にて全品引き受ける」ことを最終形としつつ、その前に「ブックフェア」を入れ込んで、蔵書のまとまりを最大限活かすという方法です。買取と委託販売の中間のような取引方法になります。依頼者にとって蔵書がまとまった形で販売されるのはおそらく嬉しいことだと思いますし、最終的に受け取れる金額が通常の買取の場合よりも多くなれば、いいことばかりということになります。ブックフェアは基本的にはシンプルな価格均一セールとし、お客様にはお得な買い物を楽しんでいただけるよう大胆な価格設定、段階的な値下げを行います。

このたび、本の買取依頼者であるインテリアデザイン事務所さんにこの企画について打診を行い、快諾をいただきましたので、【ブックフェア「野生の蔵書」】(=「まるごと」、「そのまま」といったイメージ)と題して、この取引・販売方法を実践してみることにしました。ニーズがあれば継続的に実施していきたいと考えています。

 

※【ブックフェア「野生の蔵書」】利用(買取依頼)の相談を受け付けています。

1回のフェアで出品できる点数:800~1600点程度

期間:4週間(火金休、土曜日開始・木曜日終了)

取引条件:品物の内容や状態によって異なります(非公開)。個別の交渉にて決定します。

 

価格設定:原則として居留守文庫が行います。

★「本の港」構想

当店は、あべのの街で本を売り、街に本を蓄積していくという壮大な(笑)イメージを持って営業しています。それは街そのものが大きな図書館になるイメージです。書店・古書店が多く集まる街も魅力的なのですが、そのような店の集合体とはモデルが違います。思い描くのは、街のあちこちにブックスポットが点在し、ドアを開ければ手に取りたくなるような本が置いてある、そんなイメージです。近年広がりを見せている「まちライブラリー」の試みの方がイメージとしては近いかもしれません。風通しのよい、開かれた場所に本が漂着・配架され、持ち帰られ(購入され)、いずれまた戻ってくる。俯瞰すれば、街全体が「本の港」のように見えてきてほしい。本の出版と流通に携わる人たちや他業種のお店にも、良質の本を届ける/本が滞在する場所(街)として、気にかけてもらえるようになれば、街の風景は少しずつ変化していくと思います。本の取扱内容、取扱数、発着回数にも変化が生じるはずです。当店では近隣のお店に古本の販売を委託しており、この活動が「本の港」構想の発案につながっています。古本を取り扱っていただけるお店は随時募集しています。本を店の一角に並べてみたいとお考えの方はお気軽にご相談ください。

★古本取り扱い店募集中です。

・居留守文庫の在庫からピックアップして納品します。

・ジャンル、客層に合わせた選書、冊数(数十冊~数百冊)など、ご相談に応じます。

・販売額(税込)の3割を販売手数料として納めます。

・居留守文庫から5㎞以内にあるお店が望ましいです(遠方でもご相談に応じます)。

 

お問い合わせフォームまたはお電話にてお申し込みください。

★作家さん注目度UP企画「自著と蔵書の一箱委託販売」開催中・出品者募集中です。

本が書店に並んでいても、その著者の名前が広く知られていないうちは、なかなかお客様に手に取ってもらえないものです。一方で(古)書店では、知名度に関係なく、本が連鎖的に「つい手に取られる」ということもあると思います。その連鎖する現象に着目して、作品を読者に発見してもらうための企画を考案しました。

作家さんにはご自身の作品と一緒に、趣味で集めた本やお薦め本、執筆の際に資料として活用した本なども出品していただき、一箱に収めて販売します。

読者にとっては、知らない作家さんの作品に初めて触れるとき、その方の蔵書のラインナップは「当たり/外れ」を見きわめる参考材料の一つになると思います。実際に読んでみないとわからないことも多いですが、蔵書の背表紙に目を滑らせるだけで自分との相性くらいは瞬時に測ることができるでしょう。

この企画は読者と作家のよき出会いの可能性を、少しではありますが広げてくれるものだと思います。興味を持たれた方は出品をご検討ください。お申し込みの際は当ホームページの委託販売のページで条件をご確認ください。冊数は木箱一箱分・20~40冊くらいを基本とします。

 

(有名な作家さんの蔵書も取り扱います。自分史などの「記念出版物」を売りたい方は対象外です。内容により取り扱いをお断りする場合もございます。)

★ほんとうの「居留守文庫」をつくろう計画

「居留守文庫」を理想的な形に変えていくために動き始めました(ずっとそうしてきたのですが、より高い意識を持って…)。

現在、当店は主に6つの販売形態(ルート)を利用して運営しています。

1「文の里の店舗での直接販売」、2「オンライン1」、3「オンライン2」、4「他店との取引」、5「出張販売」、6「他店への委託出品」(売上の大きい順(2016年))

「文の里の店舗での直接販売」だけで成り立つことが理想、と考えたこともありましたが、現在の立地・環境で、オンライン販売などの副業に頼らずに「隠れ家」を運営することは不可能だということがわかっています。ですから「文の里の店舗」の運営・維持を重視すればこそ、それとは性質の異なる複数の販売ルートを持つことが要求されるわけです。こんな仕事をしている場合ではないのに…と不本意に思いながら毎日を過ごすことにもずいぶん慣れてきました。今は全ての仕事においてなるべく手を抜かずに、書店の質向上につながる小さな要素を見逃さないよう注意を向けながらこなすようになりました。

とは言うものの、複数の仕事を同時進行させることで肝心の店づくりがおろそかになっていることは事実で、忘れかけていた「ほんとうの居留守文庫」を作り直すべく、「計画」として打ち出すことにしました。目下、理想に反する事態の一つは、本が増えすぎて(とてもありがたいことですが)くつろげる空間を圧迫してしまっていることです。宝もあれば余白もある、引きこもり/思索/探索/発見の場所になるよう店づくりをしていきます。

 

(今後、出張販売は「二宮古書部」という名義で行います。複数ある「層」の一つに名前を付けてみました。「ほんとうの居留守文庫」と分けて考え、これを見失わないためです。こうして分けることで、店のイメージに奥行きが生まれる(実際の奥行きを感じてもらえる)かもしれないとも考えました。)